2017/11/13 21:13
私の目指す
①安心:人にも動物にも虫にも微生物にも優しい栽培。
②安い:気軽に買っていただける価格設定。
③美味しい:健康な稲を育て、大きい粒を揃える。
の中で、まずは「①安心」に関してお伝えしたいと思います。
知人から「私が働いていたお菓子屋では落とした材料も使っていたから絶対買わない。お菓子は他の店で買う。」
という衝撃的な話を聞いたことがあります。
その時点では廃棄を免れて儲かるのかもしれませんが、そういうごまかしは後々何らかの形で悪影響を及ぼしてしまう事でしょう。
「自分も消費者の一人」として考えた場合には、考えられない行為ではないでしょうか。
私と家族が毎日食べるお米ですので、まず第一に私自信が安心して食べられるものを目指したいと思ったのです。
初めに取り組んだのは特別栽培米、当初「減農薬減化学肥料栽培」と呼ばれていたもので、慣行栽培に比べ農薬の使用回数を半減(20回⇒10回)、化学由来窒素を半減(14kg⇒7kg)にするという取り組みでした。
最初は思うようにいかなかったのですが、効果の高い農薬が開発され、肥料メーカーの製造技術も向上した結果、今では安定して栽培できるようになりました。
また地域の農家で栽培方法を統一したことで、「良食味で質の高いあきたこまち」と地域全体が評判になっていきました。
生育も収量も安定してきた頃、ふと気になる事がありました。
・農薬使用回数を10回使い切っていること。
例えば「今年は虫が少なかったので9回で済んだ。あと一回使えるので除草剤が使える。」という考えです。
農薬を使うと人手が掛からないので作業自体は楽になります。
しかし「農薬は使わないことに越したことはないのでは」と思っていました。
・カメムシにはネオニコチノイド系殺虫剤が効きます。
農薬使用回数を半減することができたのは、効果の高い殺虫剤と除草剤が開発されたことが大きいと思われます。
「カメムシにはダメージを与えますが、人には全く影響ありません。これが新しく開発されたネオニコチノイドです。」
農薬メーカーの担当者の説明を聞いて、違和感を覚えました。
ネオニコチノイドに関しては調べれば調べるほど怖くなっていきました。
・ミツバチや昆虫の生態系に影響を与えると考えられていること。
・実は人間にも悪影響があると考えられていること。
・EUでは規制される動きがあること。
だんだん使いたくない気持ちが強くなり、2009年度には栽培方法を見直して殺虫剤を使用しない栽培を始めました。
その後も少しずつ減らしていき、現在では種子消毒の1成分、一発除草剤の3成分、合計4成分で済ませることできるようになりました。