2020/04/02 10:56

田んぼの畦畔(けいはん)。

田んぼの縁取り、土を盛り上げた部分です。

ここは水の流出を防ぐ役割をしていますが、放っておくと雑草が生い茂ってしまいます。
そうなると稲への日当たりが悪くなったり、雑草にカメムシなどが繁殖してしまいますので除草が必要です。

除草方法は大きく分けて2種類あります。
①畦畔用の除草剤を散布する。
②草刈り機で刈り取る。

除草剤は散布する際に稲にかからないように注意が必要ですが、一度撒くと当分生えてきませんので管理が楽です。
草刈り機はとにかく時間がかかりますので、最近は除草剤を散布する人が増えてきたようです。
ウチでは「極力農薬を減らす」という方針ですので、草刈り機で対応しています。

ちなみに、畦畔に散布される農薬も「使用資材」としてカウントされます。
田んぼ全体に撒かれるのも1。畦畔のみに撒かれるのも1、影響度は大きく違うようですがルール上1なんですね。

私がここで問題提起したいのは二つあります。
①畦畔除草にラウンドアップを使用している農家がいる。
ここで「ラウンドアップ」と名指ししたのには理由があります。
グリホサート成分の除草剤にも色々種類がありますが、ラウンドアップだけは土が死ぬように見えるのです。
私も田んぼから離れた場所(道路や排水のり面など)に除草剤を撒くことがあります。
ラウンドアップ以外の除草剤は効き目が切れると草が生えてきます。
しかしラウンドアップはある特定の草しか生えず、土が砂のようにサラサラになって崩れていくのです。
農業を始めたばかりで何も知らなかった頃に一度使ってしまったのですが、以降は怖くて使わないようにしました。


近くで見られた田んぼです。
土が白っぽく砂状になりコケが生えています。
ラウンドアップが撒かれるとこのようになります。

②大豆の除草にはラウンドアップが使用されている。
なんと「大豆収穫14日前までの散布」が認められているようです。
世界では禁止される国が増えて生きているというのに。
今では日本の作物が世界一安全安心とは言えなくなってしまいました。


近くの大豆圃場です。
この生命力の無い土、まばらな小さい草、コケ、ラウンドアップが撒かれたとしか思えません。

「大豆なんだからお米とは関係ないじゃない」
と思われた方、「輪作」をご存知でしょうか。

輪作:同じ耕地に一定年ごとに別の作物を栽培すること。
大豆は連作障害が起きやすいため、一般的には稲と大豆の輪作が多く行われています。
来年、この土地で育てられたお米を食べたいと思いますか?
当然食べたくないのですが、外食に使われた場合私も口にしている可能性は十分にあります。

規模の大きい農家の多くは大豆を作付けしています。
減反政策で稲以外の栽培が推奨され、しかも補助金が多くもらえるからです。

ウチは規模の小さい農家ですので、出荷用の大豆栽培はしておりません。
ラウンドアップは使用しておりませんのでご安心ください。