2023/03/02 17:34

秋田県の稲作における【慣行栽培】は農薬使用回数が20回、それを基準に半減させたのが【特別栽培】になります。
一般的には特別栽培の方が安全性が高いと思われているようで、「ネオニコを避けるには特別栽培米を選びましょう」という誤ったブログ記事さえ見られます。
特別栽培米にはほぼ100%ネオニコが使用されている、というより、ネオニコが開発されたために農薬半減が可能になったと言ってもいいのかもしれません。

なぜ殺虫剤を1回撒いただけでこんなに効くのでしょうか?
虫の体外からダメージを与えるのではなく、植物の内部に薬剤を浸透させ、それを食べた虫が死ぬという仕組みだからです。
低濃度とはいえ人も食する部分に毒が含まれることになります。



当初、農薬メーカーは「哺乳類への影響は全くありません」という説明をしていました。
しかし、ヨーロッパ諸国では使用を制限する動きがある事、益虫にも影響し生態系のバランスが崩れること、何より人への影響がないとは思えないため、当農園では使用するのをやめました。

栽培暦で見ると、稲体の成長が止まり穂が出てから約1週間後の8月中旬、これから籾殻の中に澱粉が充填されるという時期に合わせて殺虫剤が散布されます。



虫が食べると駆除されるお米。これが斑点米の無い特別栽培米の真実です。

小場農園では【特別栽培米】に分類されますが、ネオニコチノイド系農薬はもちろん、殺虫剤そのものを使用しておりません。
虫は殺さず、益虫も増えることを信じて自然のバランスに任せる方式です。
そのため小場農園のお米は虫に食べられ放題です。
毎年相当量の斑点米が発生してしまいます。
その分の収量が落ち、価格が高くなってしまうことをご了承いただければと思います。
色彩選別機を使用していますが完全に除去することはできません。
虫が食べても死なない安全なお米の証とお許しいただければ幸いです。